21世紀における石油観の構築に向けて
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須藤 繁
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財団法人 国際開発センター エネルギー・環境室 研究顧問
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20世紀後半において石油市場は、ほぼ10年ごとにプレーヤーの主役を変えた。1960年代は「国際石油カルテルの時代」、1970年代は「OPECの時代」、1980年代は「消費国の時代」、1990年は「市場の時代」と形容することができる。2004年から2008年に原油価格が高騰したことを背景に、石油は再び戦略性を高めた。21世紀の最初の10年が将来「資源ナショナリズムの再興の時代」と呼ばれることはあり得る。一方、この時期は、過剰流動性を背景に石油が金融商品化した時代であり、「金融商品の時代」と規定されることもあり得る。しかし、今日見受けられる市場万能主義は、経済人のモラルの回復とヘッジファンドの活動に一定のルールを適用する金融規制の枠組みの構築により克服可能である。
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Keywords: |
原油価格 , 戦略商品 , 金融商品 , |
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